すきなものだらけ@いくつもの沼の底から

Twitterで書き切れないようなことも。育児、映画、ドラマ、音楽。

アンサングシンデレラ最終回を前に

病気や災害、今のこのコロナ禍も

もっと他の、突然の出来事も

自分の身にふりかかるとは思ってもいなかったことが実際に起きてしまったら

その時から「現実」だ

  

まるで物語のようでどんなに現実味がなくても

夢であれと願っても

目の前に起きたらその瞬間から向き合っていかなければならない

「日常」の先に誰しもが起こりえること

 

私も年齢を重ねるうちに何度かそれを経験した

 

ドラマの冒頭で毎回みどりが言っていたように

その「嘘みたいな何か」は日常と一続きなんだよね

病気一つしたことがないと言う人でも

ほとんどの人は何かしらの薬を使ったことがあると思うし

子どもが生まれれば、大なり小なり子どもの病気と向き合うことになる

 

例えば花粉症だってアレルギー

きちんとつきあえば死ぬことは無いような病気でも

症状の大小に関わらず、自分の生活に支障が出る病と

一生付き合っていかなかればならないとなれば

薬は欠かせない

 

アンサングシンデレラは、どんな人にとっても身近な、

「薬」を扱う薬剤師さんという大事な、だけどなかなか「賞賛されない」お仕事を、

改めて認識する機会になると思ったし、

実際に、もっと頼れる存在として意識が変わりました。

私も子どもを病院に連れて行くようになってからは、親身に薬の説明をしてくださる薬剤師さんが本当にありがたかったのです。

 

4月、楽しみにしていたドラマの放送が延期になること自体は何でも無いことでしたが

あの春のなんとも言いようのない閉塞感から、夏になろうという頃

ようやく新作のドラマが無事に放送の日を迎えられたこと、

久しぶりに新しいお芝居が観られる!と思い

一話は本当に嬉しかったです。

 

桜の舞い散る中、2人の若い女の子が未来へ進んでいくラストシーンは

とても美しかった。

 

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原作は最初、自粛期間中に公開してくださった電子版を読みました。

とても興味深くおもしろく、絵も好きで読み進めました。

ドラマがはじまってから、既刊の5巻までを少しずつ買いそろえてすでに読み終えています(続刊も楽しみにしています)

 

原作との違いや、エピソードの入れ換えに不満はありませんし

オリジナル設定が絡むことも想定内。

一部「ありえない」という声も聴かれましたが(看護師は…?とか)

お仕事ドラマとしての誇張もあれば、別の現場では十分に「ありえること」

という話もありました。

 

そういう部分はあまり気になっていませんでした。

 

ただ、「自分の理想の薬剤師を追い求める葵みどり」は

まぶしすぎると思うこともあったし

某「まっすぐな男」の人を思い出し、暴走のあまり周りを巻き込むのではと

少しハラハラする部分は正直あったのですが、

そういうときは瀬野さんや刈谷さんが「理想と現実」のバランスをとり、

あるときはみどりをたしなめ、またあるときはサポートに回る…。

そういうところが好きだな、と思いました。

 

瀬野さんや刈谷さんにも思い描く理想の薬剤師像はあるんだけれど

現実にこなさなければならない仕事は目の前にあって、

それをおろそかにすることはできない。

きっとどんな仕事も同じですよね。

 

原作にもありますが、舞台は病院だけれど病院薬剤師がすべてでは無く、

例えば笹の葉薬局さんのように、地域の人と密着して寄りそう薬剤師さんもいます。

それに病院も薬局も慈善事業ではないので、利益も出さなければならない。

そのために何をどうする必要があるのか…。

自分がどのように患者さんと向き合っていくか、その方法は色々ある事を示し

みんな悩み、葛藤しながら日々仕事にはげむ姿が描かれています。

(原作では今後、皆がどういう選択をしていくのか気になっております)

 

ドラマの話に戻ります。

 

そういうわけで、正直に言うと、瀬野さんを病気に…

しかも末期癌という設定にする…なんて

劇的な展開は望んでいなかったのです…

 

普通は医療ドラマと言えば生死に関わる重篤な症例がエピソードに取り上げられがちだけど、

アンサングシンデレラは、日常の先にある、病と闘う患者さんと

それを支える薬剤師さんたちのお話であって欲しかった。

 

もちろん、病院が舞台なので、

そこには必ず痛みや苦しみや葛藤が生まれるのは当然なのだけど

それは瀬野さんでなければいけなかったのか…と。

 

原作を読んでいる分、突然の展開がどうしても飲み込めなくて、

いっそ瀬野さん…!と入れ込めれば良かったのだけど

そこに感情移入することもできなくて

モヤモヤしていた2~3週。

 

私は圭くんが好きなので、当然その役は応援したくなるし好きになりがちだけど、

役の人物は特に好きじゃなくても作品を楽しむことは多々あります。

(お芝居にしびれる!というのはまた別の話)

せっかく見るなら物語も楽しみたいので、

逆はなるべくないようにしたいけど、そういうこともあります…

 

今回はお話も好きだったから、あまりの急展開に、ちょっと気持ちが置いてけぼりになったのはありました。

だから、ここのところ少し冷静な自分がいたのですが、

 

やはり10話の瀬野さん。そして圭くん。  

医療従事者であり、患者の家族(=第2の患者)だった瀬野さん…

その苦しさを間近に観て知っているからこそ辛かったり

我慢したり強がったりすることもあるだろう。

 

その気持ちを墓前で吐き出す瀬野さん

辛いけど良いシーンだった

 

ベッドの上で目を閉じる瀬野さん…

「安心です」とほほえむ瀬野さん…

 

瀬野さん…せのさん…綺麗…だなぁ…と…(はい語彙力失った)

 

明日の最終回に、瀬野さんの未来は持ち越されてしまったけど

ちゃんと最後まで見届けられるなぁ、という気持ちです。

 

今は。

 

はい。シメがみつかりません。

 

あとは明日、最終回をむかえたのちに改めて感想をまとめたいと思います!

おつきあいいただきありがとうございます。